02/18/2008    雨はあがる
魔人どもが去り、ひとまず脅威は中断されたようだ。
狂ったように戦場に激しく降り続けた雨ももうあがり、静けさを取り戻している…。

この静けさは解せぬ。
魔人どもの挙動が不可解であるのはどうしたって変わらず、日の当たる穏やかな戦場の風景が、この戦いの結末とはとうてい思えぬのだ。

しかし私の老いぼれた目の奥に差し込んでくるのは、魔人と魔族による攻撃のイメージではなく、何か別の…、それも非常に神聖な感覚であった。
漠然とではあるが、これから世界で起こることが、少しずつ私の頭の中で形になっていく。

それは誰にもわからないだろう。過去の歴史文献を紐解いても、この先のことはなにひとつ読めない。
01/19/2008    魔の力
前年の暮れ、北の空が青い光に包まれたのを見たものは多いはずだ。
あの凄まじいまでの光の炎上からは、恐ろしいまでの魔のパワーを感じられた。
あれほどの力を一箇所から感じたのは本当に久しい…。
かのアスロム帝国の歴史に残る名将・サルウァリオルが同じくらいの力があったか…。
むろん、それは魔のものではなく輝きの力であるが。

サルウァリオルは、かつて世界を恐怖に陥れた大魔鳥との死闘の末、敵を葬った直後に呪いの毒によって石になってしまった。
もう200年も昔のことだが、その石像となった英雄を中心に帝国は新建され、広場にたたずむ像は今も民衆から親しまれている。世界を救った誇りと共に。

そして現代。
計り知れない魔のパワー…

数ヶ月前から世界各地で伝説の動物・ドラゴンが続々と姿を現し、私を含め全ての賢者、預言者すらもやはり大きく驚いたが、この魔のパワーを放つ存在の影響と考えるのならば、それは妥当だろう。
恐らくこれから始まるのは平定の時代などではなさそうだ。
サルウァリオルのような強戦士がこの時代にいるかどうかはいまだ知りえぬが、戦いとなれば相当苦しいものになるだろう。
人類、そして多くの動物と妖精たちは力を合わせねばならぬ。
高度な知能を持つというドラゴン族がやはり魔のサイドに付くのならば、それは恐ろしい結果につながる。

私も、もう随分とくたびれた。
戦場に立つにはもう無理だろう。
若者よ、人類の尊厳を奪われてはならない。
この有無を言わせぬ黎明の光にまぶたをこじ開け、守りの戦いに備えよ!

私はこの地にて、せめて光を照らそう……ファイヤーッ!!